うしだけ666m うまだけ661m とうみょうだけ611.1m(三角点:燈明岳 611.14m) USIDAKE→猶然として之れを笑う→宋栄子という人は、たいへん達観しており、世の中の人々がちょっと得意な境遇になったり、ある官職についたりして喜んでいるのを見ても、ただ超然として笑っていた。すなわち、俗輩のことなど、新の自分には無関係だ、という人生態度をあらわしている。
多雪地帯のブナ林の林床に高被度のオオイワカガミを見る

2007.04.23(水)→函館(5:00)→湯の里林道、ツラツラ川上流母沢分岐登山口Co200m(6:25)→燈明岳(8:10)→牛岳(9:05)→馬岳(10:40)→母沢作業道(11:20)→登山口着(12:40) (kash沿距9.1km+783m-783m時間3:30)】

三角点:点名 燈明岳 三等三角点 地形図 函館−知内 WGS84緯度 41°36′52″.0224 経度 140°14′49″.5464 標高 611.14m 平面直角座標系(X) -264981.773m (Y) -242.003m所在地 上磯郡知内町字ツラツラ 点の記なしAY00043S:J1UpXp】

七つ岳の山名は、湯の里から仰ぎ見ると、溶岩が押し出されて盛り上がった「トロイデ」様式の火山の形に見えて立つ牛岳、馬岳、燈明岳、長山581m、丸岳531m、親岳695m、七ッ岳957mと合わせて七つの峰の明主からその名があるのであろうか。牛岳、馬岳、燈明岳は、里から見えるその形から名付けられたと思われる】


コースの地質:七つのピークは、後期中新世〜鮮新世に噴火した火山の岩石。これらの牛岳、馬岳、燈明岳、長山、丸岳の山体の裾は急峻で、岩盤が谷壁となって露出していた。馬岳の南西をえぐる母沢は深い函だった。いずれも低山だけれども、箱や谷壁の存在は、冬山登山では要注意だ。
 登山口周辺は、火成岩や新第三紀層に古生代の付加体も加わり、美しい円礫の大安在川層も介在して、地形、地質が複雑に錯綜している。その真ん中を林道が通っているから、路頭の見学が容易で地質巡検の面白いポイントに好適だ】
 
→@駐車地点(錯綜する地質路頭)





















→A群生するオオイワカガミ:ブナ林のヤセ尾根の歩道沿い





















→B燈明岳山頂:ブナ林に覆われていた。湯の里集落から展望すれば鐘状の山体だけれど、実際は南東に長い尾根だ。

















→C牛岳から望む燈明岳:背後に峰は、七つ峰のひとつ丸岳























→D七ッ岳:七つの峰の盟主:ピラミダルな立派な山容だ


















→E馬岳:規模は小さいけれどれっきとした非対称山稜。左側は雪崩斜面




















→Fダケカンバ巨樹:馬岳直下胴回り380cm

























→G林道の法面に咲くオクノカンスゲの花穂
 知内川支流のツラツラ川源流にある七つの峰を、湯の里集落から一つ二つと山座同定して私は確かめるのだ。季節を問わずいつものことだが楽しみな作業だ。ツラツラ川とカラン沢に挟まれた3座の登頂は、同行のU氏、K氏は既に牛岳は登頂していた。私だけが3座とも未踏だった。ツラツラ川上流の小股沢と母沢分岐点から400m先の橋梁まで林道は除雪されていた。治山事業の冬期工事が幸いし、橋のたもとに駐車して、直ぐ燈明岳への尾根に取り付くことができた(co200m)。
 植林地管理用の歩道が、橋のたもとからヤセ尾根に沿ってco350mあたりまで延びていた。ヤセ尾根だから特にそうなのであるが、雪解けが早い。残雪の間に落葉落枝が見える。林床の植物も確かめられる。ヤセ尾根だからマット状の蘚苔類もあざやかだった。絨毯状に高い被度で生育しているオオイワカガミも認められた。ヤセ尾根から急斜面の上部、周辺一帯の乾性土壌に一面に生育していた。オオイワカガミの地理的分布が面白いのだがまだ確かめていない。松前半島に分布していると言ってしまえばそれで良いのだが、分布東限はちりちり林道、北限は?・・・確かめたい事柄だ。林道に近くて、ヤセ尾根の{地形、土壌、植生}の密接な関連を巡検するに相応しい場所だった。もちろんブナ林の乾性土壌にある立地だ。
 co300mの主尾根で、残雪がヌカリ始めたので、ワカンを装着した。植林地を越えて、標高480mから山頂までは、燈明岳の名に恥じない急登となった。そこここにたくさん走る亀裂のある雪面を、慎重にルートを選びながら歩を進めた。左手に馬岳を見ながら、ほどなく山頂に立てた。燈明岳は、谷壁が発達した急傾斜も手伝って、伐採から免れたブナ林が、山頂までしっかり覆っていた。静かな多雪地帯のブナ林だった。
 ほぼ三角形に配置されている牛、馬、燈明の3座の、それぞれを結ぶ鞍部はほぼ標高500m台だから、3座を巡るにもアップダウンは小さい。3座を巡るのはほどないことだ。3座の間にある鞍部が形成する広大はデルタ地帯は、広々とした気分の良い空間だった。ピラミダルな立派な山容の七ッ岳を見ながら、残雪上のブナ林の林相をたっぷりと楽しみながら歩いた。 馬岳はなるほど「馬の背」のように南西に長い定高の長テーブル状の尾根であり、立派な雪堤だった。南東面には雪崩斜面が発達していた。規模は小さいけれど、これもいわゆる多雪が為せる「非対称の山稜」であろう。
 飽きるほど長い平行斜面が発達していた。35度くらいの傾斜だ。ぬかりながら、滑りながら、表層の雪と一緒に雪崩ながら、ブナ林の急斜面を一気に降った。co400mが母沢を横断する位置、co400mが林道を横断している位置を目指した。腐った雪の林道歩き。しょぼ降る雨の中だったが、下りだったからまだいい。斜面に咲くスゲの花を見ながらを治山工事のための作業小屋のある登山口についた。





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