. | 三森山 みつもりやま 842.1m | HIGURASIYAMA→世を挙って之を誉むれども、勧むることを加えず。世を挙って之を非れども、沮むことを加えず。→世間中がこぞってって自分をほめたからといって、それで大いにはげみ勇んで仕事をすることもない。反対に、世をあげて自分をけなしても、そのために、意気がくじけるかといえば、そういうこともない。つまり、かれは、世の毀誉褒貶について心を動かさなかった。 | ||||||||||||||||||||||||
市民に親しまれる函館から見える山。通称サンモリッツ。恵山を代表するサラサドウダンなどの興味深い特徴的な分布。
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【2007.10.14(日)→東側登山口(10:10)→三森山842m(10:30:)】 【三角点:点名 三森山 種別等級 三等三角点 地形図 函館−臼尻 緯度 41°53′04.4265 経度 140°52′27.6907 標高 842.14 m 11系(X) -234795.341 m(Y) 51816.898 m 所在地 北海道函館市字上湯川Y00043S:J1UpXp】 【三森山】函館市街から遠望した形、北肩、頂き、南肩の三つからなる山の字形からであろうか→ 【コースの地質:】:付近の噴出岩類を古い順に並べるとおおよそ、鮮新世と思われるものは三森山溶岩、雁皮溶岩、横津岳下部溶岩、横津岳上部溶岩、更新世と思われるものは熊泊山溶岩、泣面山溶岩、常呂川火山砕屑流の順列と考えられている。三森山溶岩は横津山系で鮮新世前期の古い噴出岩<紫蘇輝石普通輝石安山岩>とされ、周囲は急峻な斜面に囲まれていた。東側からの登山路は凹状の岩屑斜面から歩き、垂直に露出する溶岩の上に出て、ややテラス状の岩の上の道を進んで、北東の尾根に回る。このコースは、噴出岩(安山岩質溶岩)の様子を容易に観察できる。急な尾根のブナを楽しむ間もなく頂きに至る。 |
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三森山にはじめて登ったのは1970年頃だった。かれこれ30年以上も前であった。その時代はもちろん三森山には登山路はない。三森山の裏(東側)に回る林道もなかった。松倉川の支流寅の沢出合いを過ぎて間もなく右に分岐する岩沢から入った。汐泊川との分水嶺に出て尾根を辿って頂に出たが、洪函地にキクザキイチリンソウが満開だったことと、鞍部から頂はほとんど残雪を使って登ったことが印象に残っていることだった。さらに頂付近で視認したサラサドウダンは、その後何時か又・・・再訪して詳細な生育調べるのを楽しみにしていたことだった。 ”サラサドウダン”の道内における地理分布の報告は寡聞にして私は知らない。私の少ない山歩きの経験ではあるが、北限は泣面山、西限は三森山だと一人勝手に思っている。これが事実とすれば実に狭い範囲の分布だ。樹木の地理的分布をあまり気にしてもしょうがない部分があるけれど、高山植物の特異な生育地で知られた恵山だが、高い密度で生育している”サラサドウダン”もまた恵山を特徴づける樹木である。そのようなことから道南に住む私は”同種”の地理分布が、恵山からどのような広がりを見せているのか知っておきたい事柄であった。 その後道有林が森林の開発を進め、恵山から大沼までの亀田半島には林道や作業路が縦横に開設された。三森山山塊も同例で、最新版の地形図が示すとおりだが南から北から、東から西から山体の周りに道が付けられた。お陰で三森山は春夏秋冬訪ねやすくなっていた。今秋になって誘われて二つ返事で同行した。汐泊川の矢別ダムからヤベツ川に沿った林道を辿った。道は傾斜が急なところもありで、かなり困難な林道を進み三森山東方直下の、登山口の標識のある所に車をデポした。 登山路口から沢状の地形に入った。良く苔生した岩礫地の斜面だった。高山ならさしずめ岩屑斜面と言ったところだろうか・・・。湿りがまえの岩礫地だからホザキナナカマド、オオタカネバラ等、一般山地ではお目にかかれない高い密度で生育していた。実に楽しい岩礫凹形斜面だ。屏風のように立ちはだかる安山岩の壁の上に抜けて岩上をトラバースすることになるのだが、ここで目を見張る。お目当ての”サラサドウダン”のトンネルを行くことになった。岩壁には”ウスユキソウ”の生育も確認できた。上部は乾燥土壌のブナ林を行くから息は切れるがこれまた楽しい尾根だった。様々な目を見張る驚きをもって歩くことになった三森山で、短時間の上りだが、また再訪を期待しながらの登頂となった。
三森山溶岩 < 三森山溶岩は鈴木 長谷川(1963)によると、雁皮山溶岩を直接覆って発達し、三森山のほか、その南西の612メートル三角点付近、南東の553メートル三角点付近にも分布する。青灰色ないし暗褐色の非常に硬質な安山岩溶岩で、溶岩流として流れた時に生じた流理構造が明らかに認められ、またそれに平行した板状節理が発達する。長谷川ら(1969)によれば、三森山溶岩は峠下火山砕屑岩類を覆っており、あるものはストック状に上昇してきている可能性があるとされている。岩質はシソ輝石普通輝石安山岩で、緑泥石や方解石も形成されている。 >(函館市史P55) |
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