. エガミ山 646.3m<三角点:点名 江神山646.30 m>
丸  山 446.9m<三角点:点名 丸  山 446.90 m>
OOTENGUYAMA→世を挙って之を誉むれども、勧むることを加えず。世を挙って之を非れども、沮むことを加えず。→世間中がこぞってって自分をほめたからといって、それで大いにはげみ勇んで仕事をすることもない。反対に、世をあげて自分をけなしても、そのために、意気がくじけるかといえば、そういうこともない。つまり、かれは、世の毀誉褒貶について心を動かさなかった。
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行 程】2009.02.07(土)→函館発(5:00)→相沼内川Co22m地点豊栄林道入口に駐車(6:55)→豊栄林道入口発(7:05)→2km→乙部町と八雲町の町界Co230m(7:50)→下ってCo250mに沿う道路跡を500m東進して町界尾根に這い上がるCo310m(8:35)→ほぼ定高の町界尾根を相沼内川流域を左に見てエガミ山へ→3200m→エガミ山(10:45-11:10)→2800m(往路を戻り、標高点436mから南東へ尾根を伝って丸山へ向う)→丸山(13:05-10)→3700m(豊栄林道へ下りて相沼内川へ)→豊栄林道終点着(14:30)→乙部温泉→函館(17:00)

三角点】点名 江神山 等級二等三角点 地形図 室蘭−相沼 世界測地系緯度42°04′10.9265経度140°07′43.0219標高646.30 m  現況状態正常20010715 所在地 爾志郡乙部町乙部事業区377/熊石町乙部事業区367林班 <点の記図 埋標明治42年8月4日 観測平成3年7月9日:鮪ノ川林道終点から藪こぎ2時間>

 点名 円山 種別等級 四等三角点 地形図 室蘭−相沼 緯度 42°03′50.8088経度 140°06′05.9351標高 446.90 m 11座標系(X) -215031.992 m(Y) -12277.451 m 現況状態 正常20080723所在地 爾志郡乙部町字花磯1051造標昭和45年6月7日観測昭和45年6月22日

コースの地形】熊石折戸から相沼内川に沿って2500m上流に豊栄林道の入口がある。熊石相沼内川と乙部栄浜を結ぶかなり長い林道である。相沼内川は新設されたばかりの真新しい林道である。相沼内川〜その支流の小川に面したエガミ山を取り囲む西面、北面、東面は、かなり急峻な斜面である。特に北面は岩峰もあったりして人跡を拒むほどの斜面だ。一方南面は、三ッ谷川を下って鮪ノ岬海岸に面しており、やや穏やかな地形である。このようにエガミ山の北面と南面で地形は対称的である。この尾根がこの度の登頂コースだった。

 「豊栄線」とは乙部町の豊浜と栄浜を結ぶことから命名されたと思われる。しかし実際は違う。行程で述べたように「八雲町折戸と乙部町栄浜」が結ばれている林道であった。工期はかなり長い期間をかけられた模様で、相沼内側は昨年完成し、全線がようやく開通した。開通にこれほど時間がかかったのは何故か?、林道名が実態と合わないのは何故か?、あえて急峻な地形の相沼内側につないだのは何故か?・・・豪華で立派な、急斜面を開削してつくられた林道を、丸山からの帰り歩きながら?が心をよぎった。

 この新設林道を見つけたSHO氏の発案で、豊栄林道を利用して相沼内川からエガミ山に向うことになった。そうでなければ、頂から北の急峻な稜線を這い上がるか、鮪ノ岬から三ッ谷川沿いを辿るコースが考えられた。

 相沼内川流域は、他の流域と違って、見渡すかぎりガガとした山々に取り囲まれた地形に圧倒される地域だ。雄鉾岳999.3〜沖沢山951.6、焼山636.7〜スルカイ岳882.2、エガミ山〜ササマクリ山711.2に囲まれる範囲は凝灰角礫岩・安山岩溶岩域(相沼火山岩類と呼ばれる)で、これが相沼川流域の特徴ある山容をなしている。相沼内川流域は激しい噴火があった地域なのであろう。左下がりの黒々とした岩壁バンドが各山座の山肌に見える。白銀の山々の魅惑的な迫力ある山風景となって登山者の目をとどめる。

 丸山はその名が示すように溶岩ドームの残丘に見えたが、鮪ノ岬と同層とされる凝灰角礫岩(TV)に色塗られていた。

森 林】駐車地点には立派なスギ植林地があった。スギ植林の北限地帯であっても、対馬暖流が洗う海岸に近いから冬期の寒さが緩和されているのであろう。急斜面を開削した林道沿いに、大型機械で皆伐した跡があった。35度以上の斜面だから案の定表層が崩壊していた。その伐採跡地にある崩壊斜面を治山事業でコンクリートの壁で覆われていた。私有林の”後は野となれ山となれ”の乱暴な林地の扱いは規則で規制出来ないのであろうか。往路に林道から離れて私有林を通過する間は、ツルや細かい木立のブッシュに苦しめられながら国有林域の町界尾根に出た。ほぼブナを主とする広葉樹林であった。燃料革命以前は、海岸に沿う集落の薪炭材供給の任を果たしたであろう。かなりの領域の森林がその用に供されたので、巨木に属するブナは、コース中にただ一本見つけただけだった。コースから見ただけでは、原生的天然林とはほど遠いブナ林であった。あたりまえだが天然生の針葉樹はイチイの他まったくなかった。


ルート図


写真


↑毛無山の左後ろに白銀の冷水岳と白水岳を望む<7:30>

↑丸山446.9m<四等三角点>
町界からここから延々と栄浜まで延びる豊栄林道<7:50>

↑相沼内水力発電導水管 :町界尾根から望む<8:57>

↑町界からエガミ山・ミズナラ・シナノキ・ブナ群落の中に
風強い地形にダケカンバ林が見られる(中央上凸部)<8:58>

↑丸山の北西斜面<9:08>

↑Co450m付近の岩尾根・何があるか分からないと一瞬緊張したが
右の急斜面をまわるとまた穏やかな幅広い尾根だった<10:01>

↑Co500mを過ぎるとダケカンバが混じるようになる。
いわゆるブナ・ダケカンバ林だ<10:19>

↑エガミ山に立つ
ササの立上がりは今年の積雪の少なさを示している<10:53>

↑江差海岸から館盆地まで見とおせた
エガミ山の南方鮪ノ岬側は北斜面と違って緩やかな地形だ<10:56>

↑スルカイ岳背景に918峰、背景に元小屋沢山〜沖沢山<11:08>

↑焼山そして遠くに雄鉾岳<11:19>

↑エガミ山の北斜面のようす・岩尾根だらけだった<11:50>

↑標高点436mから南南西方向の丸山への尾根<12:50>

↑丸山山頂・点の記によると頂は岩が露出<13:09>

↑丸山頂上の森林のようす・シナノキが多生<13:10>

↑丸山から往路を戻ってCo410mから西北西方向に豊栄林道へ下降する
今日のコースで唯一太径のブナを見た
ほとんどがブナを主とする古い二次林
燃料革命以前に依存していた林地であろう<13:25>


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