. ・烏帽子湿原(仮称)(標高1045m)

行 程】*2009.05.24(日)中野ダム雨量観測所(袴腰岳登山口Co480m・9:00)→第2登山口(Co560m)→三角山(・889m・10:00)→袴腰岳(三角点1108.4m・10:40)→烏帽子湿原(Co1045m・11:10)【往路2時間10分】 *烏帽子湿原(Co1045m・11:20)→烏帽子岳(山名は地形図の記載無し・1078m・11:25)→袴腰岳(三角点1108.4m・12:10)→袴腰岳登山口(Co480m・13:10)【復路1時間50分】

地形図】・1/20万(函館)・1/5万(臼尻)・1/2.5万(横津岳)【三角点】・付近の点名 ・袴腰岳(一等1108.43m)・横津台(四等935.64m)・横津(三等1035.23m)・横津岳(亡失)】

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・数日前のA紙北海道版に、霧多布湿原のワタスゲが開花した記事が掲載された。横津高原にあるミズゴケ湿原のワタスゲも、ほぼ同時期に開花するであろうと、経験則でSho氏に同行してもらってその湿原に出かけた。案の定ワタスゲの開花を確かめることが出来た。<烏帽子岳(地形図記載無し)の北西300mにあることから仮称烏帽子湿原と呼んだ>
・例年桜前線の話題が絶えないことを反映して、その筋によって櫻前線は詳細なデータが駆使されて予想・記録されている。下表はそのデータの根室の一部と、烏帽子湿原の温度<植物季節は積算温度がより有効だけれど>を対比してみた。大胆だが、「横津高原(烏帽子湿原)の植物季節の進みは、根室の植物季節の進みに遅れること数日」とひとまず考えておこう。「種」によってそれぞれ反応は異なるのだろうけれど、根室地方と横津高原、両者の花情報の遅速をみるのも、植物季節の水平的変化と垂直的変化の妙をおおいに楽しめることとおもう。
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↓・‘09.05.24の烏帽子湿原<開花直前のワタスゲ............>...
・今年は、ワタスゲの銀白毛がたくさん見られるか......?

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↓・‘07.06.28の烏帽子湿原<銀白(果穂)になったワタスゲ>
・‘08年のワタスゲは、開花はほとんど見られなかった.......
・ワタスゲは年によって豊凶の差がかなり大きいようだ........



「点の記」とは地図測量に必要な三角点や水準点などを設置する際の記録であり、1つ1つの記録にはその設置に至るまでの過程が叙述されている。
国土地理院HPの「点の記」を閲覧していたところ、日高山脈のペテガリ岳やピリカヌプリの「点の記」に聞いたことのある名前が書かれていた。
選点者と埋標者はいずれも「柴崎芳太郎」とあった。埋標は、約1世紀も前の95年前の大正2年の8月と書かれていた。平成になって、三角点は更新されているので当時の記述は書かれていなかったが、間違いなく、柴崎芳太郎氏がこの日高山脈の山々に登っていたことがこの公式文書からも明らかであろう。

柴崎芳太郎氏は、帝国陸軍参謀本部の陸地測量部の陸地測量官であり、新田次郎「点の記 劔岳」の主人公としても知られ、明治40年に北アルプスの劔岳に初めて登頂した人物として名を残している。しかし、彼らがそこで発見したのは錆付いた鉄剣と銅製の錫杖の頭であったことから、劔岳は奈良時代から平安時代にすでに登られていたらしい。
なんと焚き火の跡まであったとのこと。1000年以上も前に恐るべし修験道の行者たちである!来年の夏にはこの「点の記 劔岳」を題材にした映画が公開される。

柴崎氏がペテガリ岳やピリカヌプリの山頂を極めているとは意外であった。日高山脈におけるアルピニズムの揺籃期は北大が芽室川に入り、芽室岳に登頂した大正12年であることを考えると、ペラリ山やカムエクなどは明治後期から、ペテガリ岳やピリカヌプリに至ってもこの揺籃期の10年も前から測量部によって日高の全域にわたって足跡が印されていたのだ。
しかも、慶応大学と北海道大学の夏季カムイエクウチカウシ山の初登頂の座はたった1日の差で慶応大学により奪われてしまったが、実は慶応は「点の記」を参考にそのときの案内人たちとともに同じルートをたどって登ったとのことである。

近代以降、この日高の山々は陸地測量部の人々によって門戸が開かれ、北大や慶応のカムエク初登頂争いを始め、冬季初登頂へと舞台を移していくのである。http://homepage3.nifty.com/hidaka/tennoki.htmとり

5月気温平年値(烏帽子湿原は函館データからの気温低減率推算)
烏帽子湿原の気温は(函館から低減率試算値)
さくらの開花日満開日根室開花日相当の烏帽子湿原の気温
*根室のチシマザクラの開花日から、烏帽子湿原周辺のチシマザクラの開花日を推定できないか!
*根室の平年開花日は5月20日。その日の気温は平均8℃、最高12℃。
*烏帽子湿原における根室の開花日の気温相当日を、函館の気温から推算した。
*烏帽子湿原のチシマザクラ開花日は、ひとまず5月23日以降と考えた。
*同様に満開日は30日以降であろうか?
烏帽子湿原 平均 最高 最低 根  室 平均 最高 最低
(℃) (℃) (℃) (℃) (℃) (℃)
1日 4 9 -1 1日 5 9 2
20日 7 11 2 20日 8 12 5
21日 7 11 2 21日 8 12 5
22日 7 11 2 22日 8 12 5
23日 7 12 3 23日 8 12 5
24日 7 12 3 24日 8 12 5
25日 7 12 3 25日 8 13 5
26日 7 12 3 26日 8 13 5
27日 8 12 3 27日 9 13 5
28日 8 12 3 28日 9 13 5
29日 8 12 3 29日 9 13 6
30日 8 13 4 30日 9 13 6
31日 8 13 4 31日 9 13 6

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↓三角山周辺は生活痕や牛舎臭かったりの体験が重なる

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↓三角山付近の登山路はミヤマスミレの回廊

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↓同様にヒメイチゲも密度高く

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↓三角山(889m)のチシマザクラ:三角山付近の開花は三分咲きか?
・1000台の烏帽子湿原(横津高原)は1〜2輪咲いたか.............

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↓ブナの着花のようす(昨年は大凶作だったが、今年の渡島半島は豊作年のようす...だ)

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↓袴腰岳山頂(東側に僅かに残る積雪)
・ミヤマハンノキが開舒(左下)...
・ダケカンバの冬芽が緑に芽ぐむ

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↓袴腰岳山頂のミヤマハンノキ雄穂(開花の季節だった)

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↓烏帽子岳と夏道を隠す残雪

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↓ブナ林の新緑がブナ帯上部まで達していた.........................
(ダケカンバ帯の新緑は未だで、その境界が明瞭であった)

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↓烏帽子湿原(仮称)
・ワタスゲの開花はまだ少数の個体のみであった
・目を凝らせば、果穂をやっと見つけることができる季節だった


↓位置図

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