三森山と丸山(古部) 点名 三森山842.10m 点名 古部岳691.06m
亀田半島の山めぐり:同行Num氏

2009.08.23(日)】・亀田半島の各座は、道有林の林道が頂き付近をめっぐっている場合が多い.したがって、車は頂上の直下まで近づくことができる.三森山は、下車して標高差130mほどのブナ〜ダケカンバの林の尾根道をたどれば登頂できる.(古部)丸山は、標高差170mばかりの薮を漕げば、恵山などの亀田半島の南の展望の良い山頂に立てる.三森山の北にある泣面山は夏道があって、道程はこれらに近い。函館から、休日に三山巡りもいいと出かけた.しかし、残念ながら松倉林道は工事中で、泣面山方面は通行止めだったから、今回は三森山と古部丸山の二山となった.

 恵山はツツジ祭りが行われるぐらい山体を濃密に覆い、自生するヤマツツジ(通称エゾヤマツツジ)の開花期が有名だ.恵山の3km北東にあって、同じ恵山外輪を形成する海向山は、サラサドウダンの密林があって、古くは燃料用に伐採されてもいた.いわゆるサラサドウダン二次林であって、北海道では他に替えがたい山(森林)だ.さらに6km北東にある丸山は、サラサドウダンの低木林が南方向の風衝尾根を覆いつくしている.初冬にこの尾根から丸山へ雪を踏んで登ったが、同行の者はサラサドウダン低木林の尾根に難儀し、足を捕られ続けてとうとうアルミワカンを壊してしまった.それほどサラサドウダン低木林は濃密だった.丸山から西北西方向に18km離れてある三森山がある.ブナ林に囲まれ頂上は、ササ密度の高いダケカンバ二次林だが、夏道沿いの樹下にサラサドウダンが疎生していた.東側から衝立状の崖を縫って新設された歩道を先年利用した.岩角地を辿る歩道付近の植生は、サラサドウダンが高い密度で生育していた.

 さて三森山から西方の地域で岩角のある頂は、蝦夷松山や雁皮山だが、サラサドウダンの自生は確認できない.北方にある泣面山にその種が自生するか否か?.積雪期の登頂の経験だけだから自生の可否は判明しないが.機会があったならばこの確認のため、無雪期の登頂を何時か叶えられることを期待しているところだ.さらに北方の鹿部丸山は如何に!

 三森山の三角点の標高は2007.10.14日登頂時の標高は842.14 mであったが、新しい三角点標高成果提供開始日:平成20年5月1日(木)から、842.10mになった

 <地理院の記者発表日時:2008年03月03日(月): (北海道全域(離島を除く)の三角点数:14,528点の標高成果を、現在の測量技術に合致した新しい成果値に改定します。新しい標高成果値は、電子基準点や水準点の標高成果と整合させた標高成果です。平成15年十勝沖地震等の地殻変動や地盤沈下等の影響を考慮しています。市町村等が実施した公共測量の標高成果改定を支援するため、専用ソフトを公開します。新しい三角点標高成果提供開始日:平成20年5月1日(木)今回の改定で標高値が高くなる三角点では最大0.93m、標高値が低くなる三角点では最大1.58m、それぞれ変わります(資料3)。これに伴い、5月1日以降刊行される北海道地域の地形図等も順次新しい標高値が記載されます。現在、国土地理院Webサイト(http://www.gsi.go.jp/)で公表している「日本の山岳標高一覧−1003−」の標高も変わり、北海道最高峰の大雪山(旭岳)の標高は、2290mから2291mに変わります(資料4)。)>
 一方 点名古部岳(丸山)は、種別等級 一等三角点 地形図 尻屋崎−尾札部緯度 41°51′06.8116経度 141°05′31.5344標高 691.06 m(X) -238269.393 m(Y) 69922.875 m 現況状態20020727時正常で所在地は 函館市字川汲2085番となっている. 近隣の一等三角点の配置は 南西14kmに気無山 ・北西24kmに袴腰岳がある.

 <北海道の三角点の歴史は明治29年7月が最初で古部岳、千軒岳、八幡岳の選点日はそれぞれM29.7.4、M29.7.18、M29.7.23館潔彦氏によるものだった。設置日はM34.10.16、M29.7.18、M29.7.23で、近年の観測は各々H14.9.4、H14.9.4、H14.9.6になっていた.

↓:登山口小さなベルが下がっていた.頂上まで1000mの標.

↓:西斜面(松倉川側)に造られた歩道だが、鍬も入れられて快適に登れた.しかし毎年歩道修理が必須と思われた.写真のダケカンンバは二次林であった.

↓:頂上.細く背の低いクマイザサが高い密度で生育.展望は良いとは言えないが、函館山と市街地の一部が遠望できた.

↓東側から登る登山路は残念ながら閉鎖(通行止めの札あり)されていた.道はササに覆われていた.東側歩道は岩角地の植生が楽しめたのだけれど・・・.

↓:尾根の登山路に沿うブナの結実状況の写真<亀田半島の今年のブナの豊凶は並み作?>

↓:ブナ林内の赤はオオカメノキ.尾根沿いにサラサドウダンが散生.

↓:ブナに着生するホテイシダ<ウラボシ科ノキシノブ属>.

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<次は「丸山」<点名 古部岳> :三森山から丸山へ・・・恵山と椴法華を結ぶ街道にある集落「絵紙山」から林道を北に向かう>

<↓:丸山の西斜面:ダケカンバを主とする
二次林を、スカイラインの頂きにある凹部をめざして直登する. 
右側スカイラインは二次林.右側のスカイラインの尾根は風障低木林.
・西側から山頂を往復したが、次回は頂上から北北東への沢形を下り(三角点の測量作業のルート)林道を戻る周回コースもいい.

<↓:ダケカンバの二次林の林内のようす.再生林(伐採跡地?山火事跡地?

<↓:森林の上部は風衝のダケカンバ・ミヤマハンノキ林>

<↓:山頂:一等三角点「古部岳」.潅木や高茎草本が混じる膝丈程度のクマザサ群落>・展望もいい・ササ草原もいい.ゆったりとしている雰囲気がいい.

<↓:山頂の南側(絵紙山集落方向).トウゲブキ群落など高茎の草原とクマイザサなどの潅木が混生す.>

<↓:眼下に古部海岸と噴火湾の巨大なダイボウ網>

<↓:南茅部海岸の向こうに泣面山と駒ヶ岳を遠望>

<↓:三森山と横津岳を遠望> 

<↓:恵山と椴山と海向山を遠望する.恵山は今も硫化水素を出し続けている.海向山の斜面はサラサドウダンなどの二次林(つまり薪炭林)、山麓は植林地.
 丸山は更新世に火山活動を終えた.海向山と椴山とは約1万年前までに溶岩ドーム形成.恵山は
 →参照約8000年前に元村噴火が生じ、大規模な火砕流が発生して山麓に台地が作られるとともに、恵山溶岩ドームが形成された。
 この後、5000年前、3000年前、2500年前、600年前にも火山活動が起こり、火砕流や火砕サージが発生した。約2500年前の活動では恵山ドームからの山体崩壊で岩屑なだれが発生した。
 最近では、1846年と1874年に水蒸気爆発が起こった。このうち1846年の噴火では、発生した泥流によって多数の死者が出た(恵山火山防災ハンドブック,2001,荒井ほか,1998)


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