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09.10.04 桂岳<標高733.6m> THUMBNAIL
 今年の積雪期(2月)に桂岳へ出かけた.亀川の雪の枕木山荘(Co50)に車をデポして亀川沿いの林道を歩いた.桂ノ沢と鴉沢に分れる二股(Co90)から、両沢の間にある尾根に取り付いた.長くゆったり続いている尾根、若く美しいブナの尾根、展望も楽しめてお薦めのコースだ.比べて夏コースは「イワナシロードがある」と言えようか.
 紅葉がはじまるこの度の桂岳は、鴉沢に沿う亀川支線林道の終点(Co270)まで車を入れた.小さな「登山口」の標示板に従って、小沢の小石を渡り右岸のトドマツ植林の尾根に取り付いた.
 トドマツ植林とブナ二次林の見通しのきく明るい林、林床の堆積腐植を歩く心地よさ、イワナシロード、ミヤマスミレロードに気をよくしている内に、ブナ・ダケカンバの天然林の中の鉄塔(送電線)に出る(Co500).
 送電線下歩道を東北方向に270m歩いて、鉄塔が建つ(Co550)主稜線に出る.松前半島側は知内岩部山塊〜池の岱山〜松前半島の主稜線、亀田半島側は函館平野から亀田半島主稜線と全体の展望ができて良い.
 国有林野の境界管理歩道(防火線)を桂岳に進むに従って、国土調査法(昭和26年法律第180号)第2条第1項第3号の地籍調査によつて設置した標石、御料局の境界標石・図根点、国有林野の境界標石、三角点標石があって標石ファンには見所か.
 NTTの電波反射板が設置されているピークから、国有林野の境界管理歩道(防火線)は直角に右折して湯ノ沢へ下る.従来からの茂辺地地区の湯ノ沢コース(国有林管理歩道を利用)である.
 NTTの反射板が設置されているピークは桂岳の前ピーク(Co720)であって、ここから笹藪に入り、さらに200m西北西に進んだピークが桂岳(三角点733.6m)である.亀田半島、松前半島などさらに展望に恵まれた三角点になっていた.
↑登山口から、歩道をひきつめるように[イワナシロード].
 THUMBNAIL


亀川の左岸にある温泉宿で、林道沿いにある枕木山荘(Co50).新幹線のトンネル入口から500mほど上流にある.スギ林やドイツトーヒの林に囲まれている.
鴉沢に沿う亀川支線林道の終点(Co270).
小さな「登山口」の標示板が白柱に括りつけられている.左側の小沢の小石を踏んで登山歩道が通るトドマツ林へ.
林道終点から沢向の南西方向の斜面.
広葉樹林の中にヒメコマツ(自生)が見えた.
ヒメコマツの立地だが、ヤセ尾根か岩角地のもよう.旧日高系古生層の領域である.林道に沿う崖に粘板岩等の露頭が見える.崖には「イワナシ」など岩壁植物を楽しめる.
登山口から小沢を挟んでトドマツ植林が見える.
背の高い広葉樹は、樹冠の内側が落葉を終えて、向こう側の空が透けて見えた.樹冠の端っこだけに緑の葉っぱが残る「ウダイカンバ」.
渡る小沢のオオバセンキュウ.
セリ科 シシウド属 学名Angelica genuflexa オオバセンキュウの小葉の縁は規則的な鋸歯縁.
イワナシが林床を覆う.アクシバ、オオバスノキなど乾性立地の植物を伴う.
トドマツ植林の中の尾根を行く登山路.森林の管理歩道を利用した登山路.乾燥傾向の土壌で、堆積腐植が厚い.
若く美しいブナの林を行く歩道.
林床に厚く堆積する腐植層.
トドマツ植林内だが、ブナなどの二次林が混生しているため、落葉広葉樹の落葉層が厚く覆う.
脚にやさしい登路だ.
トドマツ植林の林内.
適潤性森林褐色土の緩傾斜にはオオバクロモジの密度が高い.
エゾユズリハ.地這性常緑広葉樹のメンバー4種(ツルシキミ、ヒメモチ、ヒメアオキ、エゾユズリハ)がたくさん生立していた.
トドマツ植林やブナ二次林の密度が高いため、林床が暗くササは細く低い.
ユキザサの果実
【学名】 Smilacina japonica.和名の由来は、花の姿が雪がついているように見えて、葉の形が笹に似ているからか.
実は写真のように赤く熟す.若葉は「アズキナ」と呼ばれて人気がある.
トドマツ植林を出ると、明るい送電線の鉄塔に出る.
ここから右へ送電線下歩道を利用して主稜線Co500に至る.
ナニワズ:
学名Daphne kamtschatica var. jezoensis
別名オニシバリ ナツボウズ.葉裏は白っぽい.雌雄異株で先が4つに分かれて反り返った花を多数付け香りが良い.秋に蕾を付けて雪解け直後、残雪に花を覗くことがある.
ジンチョウゲ科で似ているカラスシキミは常緑で花は白、葉は細長い.
主稜線上のブナの黄葉の様子.
終点近くの前ピークにNTTの電波反射板が見えてくる.
右斜面は民有林のササ生い地である.尾根の左側は国有林野.
この大規模な皆伐面積は、植林も行われず放置さあれたヶ所で未立木地状だ.
函館平野からも遠望できる.
オオタカネバラR. acicularis Lindl.:歩道沿いに見た.
亜高山帯に自生する.海岸近くでも見られる。紫紅色の花は美しい.枝先に1つつき、果実は面白い紡錘形だ.
境界標石:御料局の「宮」の刻みがある.
後の塩ビは地籍調査の標石.
前ピークの御料局の標石2
同 御料局の標石3
同 御料局の標石4
字名が刻まれている.
桂岳方向の笹藪尾根
かすかに、人がササを漕いだ痕が認められた.
山頂付近のブナの黄葉の進み具合.
御料局の標石と、国土調査法(昭和26年法律第180号)第2条第1項第3号の地籍調査によつて設置した標石.
ここを下ると湯ノ沢登山口.歩道が刈られていた.
同付近の塩ビ製標石に「国調多角」と標石の頭に明示されていた.
送電線沿いのダケカンバ二次林.
混み合ったトドマツ林の中を下る.
絡むツルはツルアジサイ.
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